
10年前、プレーヤーを引退し、コーチの立場として、新たな道を歩みはじめました。
はじめた当初、恩師といえる経験豊富な方々や優秀なコーチの方々との指導者としての圧倒的な″チカラ″の差を感じました。育成に定評のある日本有数のクラブでしたが、自身の育成年代の指導者としての無力さを痛感させられる毎日でした。サッカーコーチとは非常に奥深い職業だと気づかされました。
上の世代のトップチームのコーチや監督ではなく、育成年代のコーチングの魅力に引き込まれていきました。もっと気づき成長しなければコーチとして長く続かないし、生き残っていけないとも感じました。
TOPチームなど大人のカテゴリーは別として、
プレーができることと、育成年代の指導者として優秀であることは、=(イコール)ではない。
プレーヤーとして必要な要素と育成年代の指導者として必要な要素は″全く別にある″と感じたのです。
世界のサッカー史に残るような華々しい活躍をした選手であったとしても優秀な育成年代の指導者になれない可能性がある。いや、なれない可能性の方が高いと強く感じたのを覚えています。
まだ頭の中がゴチャゴチャしている感覚があり、指導者として様々な経験を重ね、時間をかけてシンプルなものに到達していく必要がありました。
学生の頃から、最終的に一流の育成年代の指導者になり、近い将来に自分のチームやスクールを創設することを目標にしていたわたしでしたが現実をつきつけられ大きな壁が立ちはだかったのです。
子供達の将来的なものを育める最高の場所を創りたい。
その目標はまだまだ遠いと、、、。絶対的な”チカラ”をつけていかなくてはならない、、、。
本能的にも論理的にもそう思ったのです。
もっと成長しなくては満足いく指導はできないし、独立し自信を持ってサッカースクールを創設できないと、、、。ビジネス的なサッカースクールとして自身の戦ってきていない土俵で勝負するサッカースクールか確かさのない感覚のみを頼りしたサッカースクールになってしまう恐れがありました。
私が創りたかったのは、見栄えやプロモーションの上手いサッカースクールではありません。
学生の頃から私が創りたかったのは、子供達が本当に伸びて将来的に必要なものを育める場所です。
ビジネスではやりながら修正という考えがあると思いますが、少なくともサッカーの育成年代の指導ではそうはいきません。現場でコーチは多くの子供達に接し、与える影響も大きいものです。選手ひとり、ひとりの無意識や当たり前に影響するものだと捉えました。
少し大げさになりますが、その指導で子供達の未来が変わるとポジティブにもネガティブにも感じたのです。
サッカー小僧達のサッカーへの、愛着や情熱が理解るからこそ、デリケートでとても責任のある仕事なんだと周りの恩師といえる方々や、経験豊富なコーチ達から刺激を受けながら、自覚していきました。

スケジュール的にも体力的にも厳しい毎日でしたがまったく辛くはありませんでした。
好奇心や気づきで本当に面白い毎日でした。
指導実践や、何気ない経験談、コーチ同士でのプレーの中で成長のための発見が多くあったのです。
指導現場でトライ&エラーを繰り返しはやいスピードで日々成長を実感していたのです。
現場の中で、いろんなことを吸収し、試行錯誤しながらたくさん試させていただきました。
特に優秀な指導者の方々とトレーニングに関わらせていただいた時間はその素晴らしさと奥深さを吸収できる”宝の山”のような時間だったのです。
まだ先になるかもしれないが、必ず追いつき、追い越したいと私の決心は強くなっていきました。
そんな日々のなかで、自分なりの感覚も育ちはじめてきたような気がします。

その後、チャンスを頂き、この10年間で、様々な場所で指導する機会に恵まれました。様々なチーム方針やカリキュラム、メソッドなどを経験しながら選手の育成をする機会に恵まれたことは私にとってとても幸運だったと感じています。
お声掛けいただいた際に魅力的に感じたときは、違う場所で仕事をする抵抗はありませんでした。プレーヤーの時の経験を通し、いろんな場所でいろんな経験をすることで、物事の本質が見えてくると感じていたからです。
ここの普通は、あそこの普通ではない あそこの普通は、ここの普通ではない。
日常の外にでなければわからないことは多くあります。日常の外に出て初めて日常がどういうものなのかを理解するのです。
自分の中で当たり前としていたことが本質からずれていることも多いにあることを学べました。
そしてある時期から自分で立ち上げる時期や場所について考えることが多くなってきました。

3年ほど前から、兵庫県のジュニア年代の選手と接しており、神戸市や明石市の選手と多く接しており、この地域の選手の可能性と課題の両方にふれてきました。
サッカーが好きで純粋な子が多く、すごく伸びしろがあります。
TRをするたびにもっとよくなる可能性を感じ、この地域の選手達の今後をよくしていきたいなという気持ちは、日に日に強くなってきました。
私も様々な経験をさせていただき、子供達の未来に責任ある育成年代のサッカースクールを創設するための心構えや指導者としての経験と準備が整ってきたのだと思います。
現状セレクションなどに受からない選手と親御様、サッカーへの情熱と目標のある選手と親御様に利用して頂き寄り添える場所であり、しっかりと″チカラ″を蓄えていけるサッカースクールを創りたいとFCR ACADEMYを創設する決意をしました。
経営者としては、1年生で模索しながらやっていかなくてはなりません。
今後、FCR ACADEMYが目標ある選手にとって必要不可欠な場所となれるよう精進していきます。
現場で常にベストを尽くし目標ある選手とサッカーを通して繋がれることに感謝を忘れずに進んでいければと思っております。
FCR ACADEMYをぜひよろしくお願いいたします。

